まとめサイト 最新記事 田中康夫の新ニッポン論

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.145「間違いだらけのB/C」

「人々の革命への要求を先取りするような、その結果、人々が革命など必要としなくなるような賢明な政治」の実現こそが真の保守であり真の革新であると説いた、18世紀イギリスの思想家で政治家だったエドマンド・バーク。

その公理を忘れた「経済的新自由主義」を妄信する面々が、巨額の資金と膨大な時間を要するリニア中央新幹線建設、北陸新幹線延伸、南鳥島沖レアアース掘削の「夢物語」に前のめり状態。

間違いだらけなアルゴリズム=演算方式で、「総便益」が「総費用」を上回り、これまでに投じた「サンクコスト」を遙かに上回る「リターン」が期待出来るに「違いない」と妄信。

その「洞察力なき三題噺」に代わる具体的な代替案を提示する「田中康夫の新ニッポン論」Vol.145「間違いだらけのB/C」

 

>>PDF

本文原稿はこちらをクリックすると全文が表示されます

リニア中央新幹線建設も北陸新幹線延伸も南鳥島沖レアアース掘削も、「埋没費用sunk cost」「費用便益比Benefit Cost Ratio=B/C」何れの視点でも答えは明々白々。にも拘らず「数字」が全てと「経済的新自由主義」を妄信の面々が、巨額の資金と膨大な時間を要する夢物語に前のめり状態。

「俺はリニアには乗らない。だって、地下の深いところだから、死骸も出てこねえわな」。「日経ビジネス」2018年8月20日号「特集 リニア新幹線 夢か、悪夢か」で言明の松田昌士(まさたけ)JR東日本元会長は、僕にも述懐。「歴代の技術屋トップは皆、『リニアはダメだ』って言う。やろうと言い張るのは決まって事務屋だ」と。

当連載Vol.11で「糸魚川-静岡構造線のフォッサマグナが横切る南アルプス地下1600mを通過するリニアは地下水と活断層の水圧・土圧・高熱に『万が一』の場合も耐え得るか。遠隔操作の無人運転車両から停電時、乗客千名を如何に地上まで誘導するのか」、Vol.122で「地上区間は僅か14%で富士山も浜名湖も楽しめず、ウラン鉱床を含む5800万㎥もの建設残土は東京ドーム50個分。超伝導能力で車体を10㎝浮上の構造故に貨物列車が存在し得ぬ『レール無きリニア』は災害時に物流機能を果たさず」と僕は直言。

東海道新幹線が僅か5年半で着工・開業した往時に学び、北陸新幹線は米原終点に計画変更。最大1時間17本運行可能な東京発の東海道新幹線を1時間に1本は米原から富山まで。逆に富山から米原経由で新大阪まで1時間に1本のダイヤ編成を敢行。上越妙高駅で運営主体がJR東日本からJR西日本へと移る北陸新幹線がJR東海の東海道新幹線と繋がってこそ、日本国有鉄道民営化JR本州3社“三本の矢”。その英断こそ政事屋ポリティシャン)ならぬ政治家(ステーツマン)の責務。

なのに、京都市営地下鉄東西線掘削時に先斗町(ぽんとちょう)や祇園(ぎおん)の料理店で良質な地下水が激減の苦い経験を活かさず、小浜・京都ルートに拘泥(こうでい)。読売新聞と並んで高市早苗政権に最も批判的な日本経済新聞が7月16日付紙面で北陸新幹線延伸は「開業 最速50年代 財源見えず」と見出しを打つ展開に。

超少子・超高齢ニッポンで猪突猛進するリニア中央新幹線も原田芳雄氏の遺作『大鹿村騒動記』の舞台で「日本で最も美しい村」連合創設メンバー信州・大鹿村を始め、岐阜・山梨両県の計画区間で水源の枯渇・水量の低下、東京都で道路陥没が続出。

都心から1900km離れた南鳥島沖「深海5600mからレアアース泥50トン回収成功」と大本営発表に欣喜雀躍(きんきじゃくやく)の善男善女。環境対策も生産コストも検討はこれから。ならば全方位外交で中国・オーストラリア・ミャンマー・タイ・ナイジェリアから確保する方が遙かに賢いB/C費用便益比。

クールジャパン血税1400億円を垂れ流しに続いてコンテンツ産業海外展開に官民投資34兆円と打ち上げ花火。民間では採算が取れない分野にこそ税金投入が「文明国」と学習せず、黒澤明・小津安二郎等の作品蒐集の国立映画アーカイブ予算を半減。収蔵担当職員10人の9人は有期雇用。

「地域未来戦略」と銘打ち、AI・半導体、宇宙・航空、医療・創薬、防災・港湾、フードテックetc.「産業クラスター」17分野展開も発表。国が「音頭」を取って地方に「計画」を作らせ「金」は無尽蔵のパターンは、気に入って貰える“作文”を書いて「金」さえ貰えれば「目的完了」が「動機」の地方が計画申請する「絵に描いた餅」に他ならず。

ならば、若手・中堅の学徒に「スモールサイエンス」研究資金を1人300万円バラ撒く方が遙かにリターンが期待出来るではありませんか。理念と哲学に基づく「選択と集中」こそ急務です。

「埋没費用sunk costサンクコスト」とは
「既に発生してしまい、取り戻すことができない『沈没コスト』のこと」
「重要なのは、これから先の投資に対してどれだけのリターンが期待できるかということ」
https://globis.jp/article/dic_gy_lcfj4z42p/

「費用便益比Benefit Cost Ratio=B/C ビー・バイ・シー」とは

「実際に要した費用の総計」に対する「発生した便益の総計」の比率(一定期間の総便益額を総費用で割った値)。その値が1以上ならば総便益が総費用より大きく、当該事業は妥当と評価する。
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/japan/jap162.html

 

既に12年前からリニア中央新幹線の環境破壊・財政破壊・国家破壊に警鐘を鳴らし、北陸新幹線は米原を終点とすべし、と提言してきたYa’ssy。

「無用の長物 陸のコンコルドなリニア中央新幹線」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/whiteelephant

文字起こし&フリップ:
2014年10月27日 TOKYO MX 「モーニングCROSS 田中康夫 ほんとにHappy!? リニア中央新幹線」

https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2015/02/19/134331

 

今回の要約

日本経済新聞が、「開業 最速50年代 財源見えず」と「小浜・京都」ルート決定時に見出しを打った北陸新幹線は、米原終点に計画変更すべき。

最大1時間17本運行可能な東京発の東海道新幹線を1時間に1本は米原から富山まで。逆に富山から米原経由で新大阪まで1時間に1本のダイヤ編成を敢行してこそ、民営化JR本州3社“三本の矢”。

 

「フォッサマグナが横切る南アルプス地下1600mを通過するリニアはダメだ」「俺は乗らない。地下の深いところだから、死骸も出てこねえわな」と松田昌士JR東日本元会長が述べたリニア中央新幹線。

映画『大鹿村騒動』の舞台で「日本で最も美しい村」連合創設メンバーの信州・大鹿村を始め、岐阜・山梨両県の計画区間で水源の枯渇・水量の低下、東京都では道路陥没が続出。

 

これから生産コストと環境対策を考える、東京23区から1900mも離れた南鳥島沖の深海5600mのレアアース。全方位外交で中国・オーストラリア・ミャンマー・タイ・ナイジェリア等から確保すべき。

 

https://x.com/loveyassy/status/2071768973314834440
高市内閣はコンテンツ産業の海外展開に官民投資34兆円の方針を打ち出す一方で 文化庁が「我が国の文化芸術の『顔』」と語る映画フィルム9万本を収蔵する国立映画アーカイブ相模原分館の職員10人のうち9人は有期雇用 首相の言う「メリハリ」とはこういうことなのねと日経文化面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD192XR0Z10C26A6000000/

 

https://x.com/loveyassy/status/2070678108928352413
日本政府がDeNAのスマホゲーム開発に15億円支援
血税1400億円も投入して累積赤字540億円クールジャパン機構に比べりゃ「寸志」と居直るのか
クラファン業者に手数料で2割も中抜きされる国立映画アーカイブに1億円早よ 未来の発見に向け1人300万研究費を若手中堅科学者に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25AF00V20C26A6000000/

 

血税1400億円を垂れ流したクールジャパンの反省もなく、コンテンツ産業海外展開に官民投資34兆円と豪語する日本。

他方で黒澤明、小津安二郎等の作品蒐集の国立映画アーカイブ予算を半減し、若手・中堅の学徒への研究費も削減する日本。

「絵に描いた餅」な産業クラスター17分野への血税投入よりも、若手・中堅の学徒に「スモールサイエンス」研究資金を1人300万円バラ撒く方が遙かに「リターン」が期待出来ると提言。

 

リニア中央新幹線に関するXでのY’assyポスト一覧

話題順https://x.com/search?lang=ja&q=%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%20(from%3Aloveyassy)&src=typed_query

最新順https://x.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%20(from%3Aloveyassy)&src=typed_query&f=live

 

日本で最も美しい村連合
https://utsukushii-mura.jp/

 

大鹿歌舞伎
https://ooshika-kanko.com/kabuki/

 

「令和の国土強靱化」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/resilience

 

水害は『脱ダム』のせいなのか!?田中康夫の実践的『治水・治山』原論
https://tanakayasuo.me/river

 

~ただ単にやめれば良いのでなく、新しい治水のあり方を示す~「脱ダム政策の哲学と実践」
https://tanakayasuo.me/dnmd

 

間違いだらけの日本の治水・治山まとめサイト
https://tanakayasuo.me/forest

 

「景観とはなにか」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/cityscape

 

「グリーンニューディール」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/green

 

永遠の変革者こそ「保守」 エドマンド・バークを読み解く
今は亡き西部邁氏との対話を紐解く「田中康夫の新ニッポン論」Vol.136『永遠の変革者こそ「保守」」
https://tanakayasuo.me/conservative
https://tanakayasuo.me/wp-content/uploads/2025/09/8bffdf54339a676a2e6f8f1e245151f1.pdf

-まとめサイト, 最新記事, 田中康夫の新ニッポン論

© 2026 田中康夫公式サイト