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紛糾する「ウクライナ侵攻」 今こそ日本は国民益に基づく“バルカン外交”を 「サンデー毎日」総力特集に田中康夫インタヴューが掲載されました!

「サンデー毎日」2022年5月8日・15日合併号(4月26日発売)で、倉重篤郎「毎日新聞」元論説委員長の「ニュース最前線」総力特集6ページ「『ニッポンの真の国益』 私はこう考える」「底なしのウクライナ侵攻に出口はある!」に、外務省OBの東郷和彦・元欧州局長と共に登場しました!

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『サンデー毎日』5月8日号(4月26日発売) ウクライナ問題中間総括

倉重篤郎「毎日新聞」元論説委員長

◇   ◇

◎田中康夫「日本は国民益に基づく“バルカン外交”を 停戦報道に徹せよ」

最後は、作家の田中康夫氏に締めてもらう。氏の政治家としてのキャリア、文学者としての文明史的視点から何が見えるのか?

「ウクライナと並んで世界の穀倉地帯であるロシアの侵攻が論外なのは明々白々。が、であればこそ非資源国ニッポンはカロリーベースの食料自給率が38%という冷厳な現実を踏まえた、食の経済安全保障の構築こそ急務だ」

「ヘンリー・キッシンジャーやジョージ・ケナンが唱えた地政学的実践主義(ジオポリティカル・プラグマティズム)に基づき欧米はロシア周辺に一定の「緩衝帯=バッファー」を必要悪として容認すべきだったのにロシア叩きを続けた」

「シンガポール国立大アジア研究所のキショール・マンブバニ名誉フェローの論考に共感した。曰く『ウクライナのNATO加盟を無謀に主張し、西側諸国からの武器供与を加速させた面々はウクライナの地政学的な子羊を虐殺に導き、大規模な世界的不安定を生み出した道徳的責任を負うべきだ』と。それは里山的な緩衝帯の重要性だ。我々は里で農業を営むが、里山にドングリがあれば熊も畑を荒しに来ない。その里山を壊し、巨大な太陽光発電パネルが山肌と水源を侵食して災害が多発する経済的新自由主義と似た構図だ。“あんばい”がない社会は政治・外交に禍根を生む」
「実は“冷戦脳”のままなのは米国、NATO側ではないか。ワルシャワ条約機構は30年前に解体したが、NATOは名称も目的も一向に変わらない。戦争こそ最大の公共事業とうそぶく軍産複合体に連なるバイデン政権は、武器供与を続けるばかりで停戦に乗り出さない。そもそも人道的な武器供与など有り得るのか。人道支援とは医療と食料のはずだ」
「しかもロシアはシリアから傭兵し、ウクライナは白人至上主義で極右思想なフーリガンが母体のアゾフ連隊を「義勇軍」と持ち上げ、自国民の正規軍は温存する。正社員と非正規雇用の二重構造の戦争だ」

「実は国連の各国動向も2月25日の安保理では親米国だったUAEアラブ首長国連邦まで中国、インドと共に棄権した。3月2日のロシア非難決議ではBRICSの印中南ア、親日国のモンゴル、ベトナム、ラオスが、24日の2度目の決議にはブルネイも加わりASEAN加盟国3カ国が棄権。4月7日の人権委員会のロシアの理事国資格停止は賛成93に対し、反対24・棄権58・意思表示無し18の計100と拮抗した」

「世界の潮流は中国、インドを含めた多極化で、米国中心の一極化ではない。中国に先んじて露ウ両国の調停役として動いているトルコ、イスラエルと協同し、日本こそ裏方の番頭として奮闘すべき。従米一本足打法ではなく、国民益に基づく良い意味での“バルカン外交”だ」

「海外メディア向けのプレスセンターを現地に設けたウクライナと米英メディアが発信する時々刻々の戦況論を「裏取り」もせずに流す日本のメディアは、先の大戦の敗戦国だからこそ一刻も早い停戦を実現すべく日本政府は汗をかけ、と論陣を張るべきではないか」

NEW 現代ビジネス「憂国呆談」 第1回
Part1:ゼレンスキーへの危うい「熱狂」と、リベラル言論人の衰退を問う
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94281

現代ビジネス「憂国呆談」 第1回
Part2:日本メディアが伝えない米国「保守派」の憂慮、ウクライナ問題の本質
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95133

現代ビジネス「憂国呆談」 第1回
Part3:「核シェアリング」妄想に異議あり プーチンを反面教師にすべき習近平
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95208

浅田彰氏との「憂国呆談」(3月19日校了・4月5日発売「ソトコト」5月号)でも「ロシアのウクライナ侵攻と各国の対応。バイデンの米国、石原慎太郎の逝去」を語っています。

https://tanakayasuo.me/archives/31934

https://sotokoto-online.jp/social/13254

「憂国呆談」バックナンバー https://tanakayasuo.me/archives/category/sotokoto


「田中康夫の新ニッポン論」Vol.102「黄色いバナナ」(3月28日校了・4月1日発売「VERDAD」4月号)でも「アングロ=サクソン民族のエリート名誉会員で在りたい日本国民の強い願望を看破したジョン・フォスター・ダレスの“妄言”を引用し、「名誉白人」ニッポンに諫言しています。

https://tanakayasuo.me/archives/31913

https://tanakayasuo.me/wp-content/uploads/2022/04/3dd38a3ca012eced469ccb0d133e7c3f.pdf

Vol.103「従米一本足打法」
https://tanakayasuo.me/archives/32040

Vol.104「君の名は?」
https://tanakayasuo.me/archives/32308

バックナンバー一覧 https://tanakayasuo.me/archives/category/verdad

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