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VERDAD 「田中康夫の新ニッポン論」 Vol.107 「絵に描いた餅」

中学校給食が、全国20政令指定都市の中で唯一未実施の横浜市。
しかも昼食時間は、ジョージ・オーウェルの『動物農場』も顔負けの15分!
ところが立憲民主党推薦、日本共産党・社会民主党支援で昨夏に誕生の「市民と対話する横浜市政」は、
「冷たい・不味い」と悪評紛々、喫食率が僅か30%の「ハマ弁」と称する現行の「デリバリー弁当方式」を
「全員に供給する体制の確保」こそ、「子ども一人ひとりを大切にした教育」だと、
「横浜市中期計画2022〜2025」&「第2期横浜市食育推進計画」で表明。

市内すべての小中学校に管理栄養士の資格を有する栄養教諭を配置し、各校毎に独自の献立を提供、
保護者からの申告に基づき、11種類のアレルギー食材にも個別対応する芦屋市。
「子育てしたいまち 次世代を共に育むまちヨコハマ」との彼我の違いを述べる

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.107「絵に描いた餅」。

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5つの基本戦略「子育て世代への直接支援コミュニティ・生活環境づくり生産年齢人口流入による経済活性化まちの魅力・ブランド力向上都市の持続化性」を掲げ、「2040年頃のありたい姿」を策定の「横浜市中期計画2022~2025」(素案)。

抽象的な文言に微苦笑を禁じ得ません。「横浜市」の固有名詞を、他の全国1746市区町村に置き換えても「成立」し得る「絵に描いた餅」。

モンゴル(323万人)よりも四国4県(365万人)よりも人口が多い日本最大の政令指定都市(377万人)は問題山積です。

一例を挙げれば全国20政令市で唯一、市立中学校に給食が未導入。昼食時間はジョージ・オーウェル『動物農場』も顔負けの僅か15分。

「第2期横浜市食育推進計画」で「デリバリー型給食」と銘打ち、市外の工場から搬入の「弁当給食」通称「ハマ弁」は「冷たい・不味い」と悪評紛々。教育委員会の大本営発表で「喫食(きっしょく)率30・1%」に留まるのも宜(むべ)なる哉(かな)。

にも拘らず、立憲民主党推薦、日本共産党・社会民主党支援で誕生した横浜市政は計198頁の中期計画34頁目で高らかに宣言。

曰く、単独校調理方式、隣接の小中校合同調理方式、給食センター方式の何れでもなく、市内外の民間業者の工場建設費も運搬経費も税金で賄う「デリバリー方式」で、「全員に供給できる体制の確保」こそ「子ども一人ひとりを大切にした教育の推進」だと。

神戸市在住の畏友・白羽弥仁(しらはみつひと)監督が今春に公開した映画『あしやのきゅうしょく』。小学校8校・中学校4校全てに管理栄養士の資格を有する栄養教諭を配置し、各校毎に独自の献立を提供する芦屋市がテーマです。

保護者からの申告に基づき11種類のアレルギー食材に個別対応。卵料理は市内の豆腐屋から調達の湯葉で代用。イスラム、ヒンドゥー、ユダヤ等の宗教上の制約にも対応しています。

「食育」や「子ども食堂」という概念など絶えて存在しなかった敗戦後、分け隔て無く全ての子供達に温かい昼食を、と給食室建設費を提供した素封家(そほうか)の女性の意志を受け継ぐ自治体です。

12ヶ月連続で人口が減少している横浜市の各地で開催の車座集会で、芦屋との彼我(ひが)の違いを語ると、参会者は一様に目を輝かせます。領事裁判権も関税自主権も認めぬとはいえ曲がりなりにも「開国」した日米和親条約締結の地で、至らなさを「改国」するどころか逆に政治も経済も社会も熔解する「壊国」ニッポンに諦め掛けていた老若男女は、「微力だけど、無力じゃない。」の気概を抱いて「ささやかだけど、たしかなこと。」を実現しようと確認し合うのです。

連載第56回の冒頭を再録。「地方自治法で設置が義務付けられていた総合計画審議会を換骨奪胎(かんこつだったい)すべく、宇沢弘文(うざわひろふみ)氏と巡り会ったのは2002年春」。

「すべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置」としての「『社会的共通資本』=「大気・森林・河川・土壌等の自然環境。交通機関・情報基盤・上下水道等の社会基盤。教育・医療・金融等の制度資本」を提唱していた氏は、2年の歳月を費やし」、「計画経済の如き数値目標を羅列した大本営発表の「総合計画」とは異なる、実現すべき社会のあり方を示す『未来への提言~コモンズから始まる、信州ルネッサンス革命~』を執筆下さいました」。

“未来へ向けての叙事詩”は小生HPで閲覧可能。何故か今を語らず壊国必至な「2040年頃」の「子育てしたいまち次世代を共に育むまちヨコハマ」を開陳の文書よりは一読の価値有り、と愚考します。

Ya‘ssyが名誉村民のパリ近郊プレシー・シュル・マルヌ村の画期的な給食堂を扱ったVol.97「帰納法 弁証法」

https://tanakayasuo.me/archives/30807¥
https://tanakayasuo.me/wp-content/uploads/2021/10/d54dc73c89d3bcadb2ef0103c4e18013.pdf

 

「「国威発揚」と「商業主義」から脱するオリンピックの新たな伝説=レジェンドを」と題して「サンデー毎日」連載「ささやかだけど、たしかなこと。」第3回の冒頭で、信州・長野県知事時代に導入した「地域食材の日」を解説しています。
http://www.nippon-dream.com/?p=14791
PDF>>> http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/20150728104837.pdf

韓国学校給食事情と話題になったメニュー https://www.creatrip.com/jp/blog/10031

映画『あしやのきゅうしょく』HP
http://ashiyanokyushoku.com/

サンテレビ紹介
https://www.youtube.com/watch?v=t9BQYqFDISI

 

芦屋市学校給食HP
https://www.city.ashiya.lg.jp/gakkoukyouiku/gakkoukyushoku.html

芦屋市給食・食育HP
https://www.city.ashiya.lg.jp/kodomo/kodomohoiku/shokuiku.html

芦屋市学校給食における食物アレルギー対応マニュアル
https://www.city.ashiya.lg.jp/gakkoukyouiku/documents/documents/aremanidainihan.pdf

芦屋の学校給食が映画になります
https://www.city.ashiya.lg.jp/gyousei/80birth/movie.html

 

横浜市中期計画2022〜2025(素案)
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/hoshin/4kanen/2022-2025/soan.html

第2期横浜市食育推進計画
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/kenkozukuri/eiyo/shokuiku/page02.html

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.100「全体の奉仕者」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/archives/31610

 

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.56「社会的共通資本」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/archives/22210

 

宇沢弘文氏 生前の最後のTV出演 2011年3月5日 BS11「田中康夫のにっぽんサイコー!」
動画&文字起こし・関連資料
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2015/01/15/020906

 

「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命〜」

http://www.nippon-dream.com/?page_id=161
PDF http://nippon-dream.com/pdf/tothefuture2011.pdf

 

「怯まず・屈せず・逃げず」宇沢弘文さんとの想い出 「現代思想」2015年3月臨時増刊号「宇沢弘文 人間のための経済」
http://www.nippon-dream.com/?p=13762
PDF https://tanakayasuo.me/wp-content/uploads/379724bad4ae595295fd8efd5fe85d0d.pdf

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.105「中抜きビジネス」
https://tanakayasuo.me/archives/32803

 

「田中康夫の新ニッポン論」バックナンバー
https://tanakayasuo.me/archives/category/verdad

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