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VERDAD「田中康夫の新ニッポン論」Vol.118「ウルトラ無党派層」

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「世論調査の数値には一喜一憂しない」。記者クラブ加盟メディアが内閣や政党の支持率を報ずる度、判で押したように首相や党首が発する凡庸(ぼんよう)なコメントです。

数値のアップダウンを小数点以下まで記す世論調査の大半の手法はRDD=ランダム・デジット・ダイヤリング。数字を無作為に演算装置(コンピュータ)で組み合わせ、電話を掛けた世帯の対象者から調査相手を等確率で選ぶ方式です。

時事通信社の世論調査は異なります。全国18歳以上の2千人を対象に個別面接方式で毎月実施。有効回収率は概(おおむ)ね6割。

内閣支持率が前月比1・7ポイント減の26・3%、不支持率が同2・3ポイント増の46・3%、「分からない」27・4%だった直近10月6~9日に実施の世論調査。自由民主党21・0%、日本維新の会3・9%、立憲民主党と公明党3・1%。以下1%台に日本共産党、国民民主党、れいわ新選組が続き、61・1%が「支持政党なし」。

それは今回に限った数値に非ず。9月60・6%、8月59・5%。10年以上に亘(わた)って一貫して6割が「支持政党なし」の冷厳なる現実。社会や政治に関心を抱けばこそ対面調査に応ずる有権者は、人間の希望でなく組織の都合で動く政治や行政に対する静かな異議申し立てを表明しているのです。

「自民支持が6割、野党2割で、残り2割が政治問題に関心を示さない『ノンポリ』だった有権者は1988年のリクルート事件以降、自民支持が4割に減り、野党は変わらず2割。無党派層が4割に膨れ上がった」。

自民党本部で選挙を取り仕切った、僕が一目を置く久米晃・元事務局長の分析をも上回る、特定の支持政党のない「ウルトラ無党派層」。その中で実際に投票所に足を運ぶ人達は、その都度お灸を据えたり、期待を込めて1票を投じ、選挙の帰趨(きすう)を決め、然し乍ら(しかしながら)早晩、裏切られた念(おも)いに陥るのです。

翻(ひるがえ)って10月22日の補欠選挙。衆議院長崎4区は42・19%、参議院徳島高知選挙区に至っては32・16%だった低投票率「改善策」を社会の公器として提言もせず、ゼロ打ち当確報道に血道を上げ、勝因・敗因の分かれ目は背後に控える宗教・労働・産業「組織」の動き云々(うんぬん)と訳知り顔で解説する「誤送船団・記者クラブ」媒体。

「投票済証」提示で割引する街場の商店の「自助」を美談として報ずる前に、罰金・選挙権抹消・投獄etc.を導入するベルギー、スイス、シンガポール、オーストラリア等の義務投票制。更には候補者の番号、写真、名前が記された欄に丸印や判子(スタンプ)を押す、嘗ては日本が「統治」した韓国や台湾の投票用紙を調査報道すべき。

が、それは見果てぬ夢かも知れません。2002年7月「独善的で稚拙ともいえる政治手法により県政の停滞と混乱を招き、多くの県民の期待を裏切る結果となった」と綴る不信任決議案が賛成44人、反対5人、欠席11人で成立を受けて失職を選択した僕は出直し知事選に臨み、2年前の初当選時よりも4%高い73・78%の投票率、得票数82万2897票、得票率64・28%の結果を経て信州・長野県知事に復帰した2002年秋。10月7日付け朝日新聞朝刊に紙面審議会での議事内容が掲載されます。

認定NPO法人制度創設に尽力した松原明氏が朝日新聞紙面審議会委員として、指摘。

曰く「再選翌日の社説は『おともだちを増やそう』と題した。和を以て尊しという論調も一つの見識であろうが、地方自治の現場が大きな変革期にある中で、首長と議会がもめるのは必然の成り行き」。「一連の(朝日新聞の)社説からは、知事と議会多数派との関係づくりの失敗で県政が混乱に陥った困った事態であるという認識が読み取れる」が、「県議と田中氏の間で何が対立軸となっているのか、未だに明確ではない」と「朝日」社説の意図を訝しがったのと同じ日付の7月16日付け「日本経済新聞」社説を援用します。

「『公共事業の在り方を問う出直し選挙を』と題し、『知事と議会の対立により、選挙の争点ははっきりしている』と言い切り、(1)適正な公共事業の手続き(2)国からの補助負担金と県財政の関係(3)公共事業に依存しない地域づくりの3点を明示し、朝日とは対照的だ」と。

即ち、「地方分権」「主権在民」と社説では常に語る当の新聞が「地方自治」の現場を取材し切れていないではないか、と。

すると出席者の若宮啓文(わかみや・よしぶみ)論説主幹と木村伊量(きむら・ただかず)政治部長の両名は「政治部の基本的な守備範囲は永田町や霞が関」、「知事には行政責任者として反対勢力を刺激するだけでなく説得する力も求められる」と事も無げに返答。希代の迷言「(選挙には)関心が無いと寝てしまってくれれば」はブン屋の世界に於いても深層心理なのやも知れませんね。

時事通信の個別対面世論調査では10年近くに亘って6割を超える有権者が「支持政党なし」
遂には66・7%を記録した2024年1月調査
既成政党への絶望を示す「ウルトラ無党派層」

NEW

自民党支持率 1960年の調査開始以来最低の14・6% 「支持政党なし」前月比4・3ポイント増の66・8%に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024012000377&g=pol

内閣支持率・政党支持率の詳細データ 時事通信世論調査2024年1月
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024011800793&g=pol#goog_rewarded

 

内閣支持率17・1% 支持政党なし62・5%だった2023年12月の時事通信世論調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023121400750&g=pol

Ya‘ssyツイート
https://twitter.com/loveyassy/status/1735198981536522611

岸田内閣支持17・1%と囃し立て 東京地検特捜部お貸し下げ「安倍派・二階派」情報を垂れ流す「誤送船団・記者クラブ」の皆さんへ

6割を超す有権者が「支持政党なし」既成政党への絶望こそ報ずるべきじゃね⁉

 

内閣支持率21・3% 支持政党なし62・5%だった2023年11月の時事通信世論調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111600810&g=pol

時事通信世論調査:10年前の2013年からの内閣支持率・政党支持率推移一覧表
https://www.realpolitics.jp/research/jiji.html

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「世論調査の数値には一喜一憂しない」。記者クラブ加盟メディアが内閣や政党の支持率を報ずる度、判で押したように首相や党首が発する凡庸(ぼんよう)なコメントです。

数値のアップダウンを小数点以下まで記す世論調査の大半の手法はRDD=ランダム・デジット・ダイヤリング。数字を無作為に演算装置(コンピュータ)で組み合わせ、電話を掛けた世帯の対象者から調査相手を等確率で選ぶ方式です。

時事通信社の世論調査は異なります。全国18歳以上の2千人を対象に個別面接方式で毎月実施。有効回収率は概(おおむ)ね6割。

内閣支持率が前月比1・7ポイント減の26・3%、不支持率が同2・3ポイント増の46・3%、「分からない」27・4%だった直近10月6~9日に実施の世論調査。自由民主党21・0%、日本維新の会3・9%、立憲民主党と公明党3・1%。以下1%台に日本共産党、国民民主党、れいわ新選組が続き、61・1%が「支持政党なし」。

それは今回に限った数値に非ず。9月60・6%、8月59・5%。10年以上に亘(わた)って一貫して6割が「支持政党なし」の冷厳なる現実。社会や政治に関心を抱けばこそ対面調査に応ずる有権者は、人間の希望でなく組織の都合で動く政治や行政に対する静かな異議申し立てを表明しているのです。

「自民支持が6割、野党2割で、残り2割が政治問題に関心を示さない『ノンポリ』だった有権者は1988年のリクルート事件以降、自民支持が4割に減り、野党は変わらず2割。無党派層が4割に膨れ上がった」。

自民党本部で選挙を取り仕切った、僕が一目を置く久米晃・元事務局長の分析をも上回る、特定の支持政党のない「ウルトラ無党派層」。その中で実際に投票所に足を運ぶ人達は、その都度お灸を据えたり、期待を込めて1票を投じ、選挙の帰趨(きすう)を決め、然し乍ら(しかしながら)早晩、裏切られた念(おも)いに陥るのです。

翻(ひるがえ)って10月22日の補欠選挙。衆議院長崎4区は42・19%、参議院徳島高知選挙区に至っては32・16%だった低投票率「改善策」を社会の公器として提言もせず、ゼロ打ち当確報道に血道を上げ、勝因・敗因の分かれ目は背後に控える宗教・労働・産業「組織」の動き云々(うんぬん)と訳知り顔で解説する「誤送船団・記者クラブ」媒体。

「投票済証」提示で割引する街場の商店の「自助」を美談として報ずる前に、罰金・選挙権抹消・投獄etc.を導入するベルギー、スイス、シンガポール、オーストラリア等の義務投票制。更には候補者の番号、写真、名前が記された欄に丸印や判子(スタンプ)を押す、嘗ては日本が「統治」した韓国や台湾の投票用紙を調査報道すべき。

が、それは見果てぬ夢かも知れません。2002年7月「独善的で稚拙ともいえる政治手法により県政の停滞と混乱を招き、多くの県民の期待を裏切る結果となった」と綴る不信任決議案が賛成44人、反対5人、欠席11人で成立を受けて失職を選択した僕は出直し知事選に臨み、2年前の初当選時よりも4%高い73・78%の投票率、得票数82万2897票、得票率64・28%の結果を経て信州・長野県知事に復帰した2002年秋。10月7日付け朝日新聞朝刊に紙面審議会での議事内容が掲載されます。

認定NPO法人制度創設に尽力した松原明氏が朝日新聞紙面審議会委員として、指摘。

曰く「再選翌日の社説は『おともだちを増やそう』と題した。和を以て尊しという論調も一つの見識であろうが、地方自治の現場が大きな変革期にある中で、首長と議会がもめるのは必然の成り行き」。「一連の(朝日新聞の)社説からは、知事と議会多数派との関係づくりの失敗で県政が混乱に陥った困った事態であるという認識が読み取れる」が、「県議と田中氏の間で何が対立軸となっているのか、未だに明確ではない」と「朝日」社説の意図を訝しがったのと同じ日付の7月16日付け「日本経済新聞」社説を援用します。

「『公共事業の在り方を問う出直し選挙を』と題し、『知事と議会の対立により、選挙の争点ははっきりしている』と言い切り、(1)適正な公共事業の手続き(2)国からの補助負担金と県財政の関係(3)公共事業に依存しない地域づくりの3点を明示し、朝日とは対照的だ」と。

即ち、「地方分権」「主権在民」と社説では常に語る当の新聞が「地方自治」の現場を取材し切れていないではないか、と。

すると出席者の若宮啓文(わかみや・よしぶみ)論説主幹と木村伊量(きむら・ただかず)政治部長の両名は「政治部の基本的な守備範囲は永田町や霞が関」、「知事には行政責任者として反対勢力を刺激するだけでなく説得する力も求められる」と事も無げに返答。希代の迷言「(選挙には)関心が無いと寝てしまってくれれば」はブン屋の世界に於いても深層心理なのやも知れませんね。

劣化し続ける日本の「誤送船団・記者クラブ」が毎月、実施する「世論調査」という名の「世論誘導」。

したり顔で内閣支持率・政党支持率のアップダウンを「呆ずる」中で唯一、時事通信社は個別面接方式。

他媒体と異なり、10年以上に亘って「支持政党なし」が常に6割に達しています。

「ウルトラ無党派層」なる惹句を創出したYa’ssy。

そのYa‘ssyを社説の見出しで「おともだちを増やそう」(出直し知事で再選された2002年)、「大人になれなかった知事」(49対51で敗退した2006年)と可愛がって下さった「朝日新聞」。

「地域主権」「主権在民」と社説では語る当の新聞が「地方自治」の現場を取材し切れていないではないか、と2002年9月の紙面審議会で審議会委員が述べると、

「政治部の基本的な守備範囲は永田町や霞が関」と事も無げに返答した「朝日新聞」論説主幹と政治部長。

与野党を問わず「組織の都合」で蠢く壊国ニッポン 開国の地ヨコハマで「人間の希望」に根ざした改国ヴィジョンを具体的に語り合う75回目を超えるYa’ssy車座集会まとめサイト
https://tanakayasuo.me/kurumaza

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.98「日本の選挙制度」
https://tanakayasuo.me/archives/30962

 

「田中康夫の新ニッポン論」バックナンバー
https://tanakayasuo.me/archives/category/verdad

 

Vol.117「ジャニー喜多川という宿痾」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/sexualcrime

より理解を深める為に関連記事・資料等86箇所へリンクを張った

毎日新聞デジタル版「近田春夫・松尾潔・田中康夫」鼎談
https://mainichi.jp/sunday/articles/20230928/org/00m/200/001000d

 

外苑地区「再開発」に関して論じた「景観とはなにか」「田中康夫の新ニッポン論」Vol.115
https://tanakayasuo.me/cityscape

 

福島第一原発を巡るVol.116「安物買いの銭失い」まとめサイト
https://tanakayasuo.me/nuclear

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