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VERDAD「田中康夫の新ニッポン論」Vol.125「横浜花博」

横浜市民の50・8%が「まったく知らない」、37・3%が「聞いたことがあるが、内容はよく知らない」と回答した(横浜市役所が今年3月に発表の市民5千人「意識調査」)横浜市瀬谷区で開催予定の「2027年国際園芸博覧会」!

日本経団連会長の十倉雅和氏が音頭を取る「花博」会場の在日米軍上瀬谷通信施設跡地は、横浜駅から相模鉄道の快速電車で21分の瀬谷駅から更に徒歩30分!

破綻した社会主義国の「計画経済」かと見紛う半年間の会期192日間で有料入場者1000万人以上を掲げます!ちなみに半年間の来場者は大阪のUSJが800万人、浦安のTDLが755万人、TDSは620万人!

しかも「ふるさとの特徴である谷戸(やと)景観を留める数少ない川」と横浜市HPが記す和泉川の源流を埋め立て。ホタルが舞い、コウノトリやトキが飛来する水田を壊し、242本の桜並木を伐採する「花博」は、「SDGsの達成に貢献する日本・横浜発『グリーンシティ』」と位置付ける本末転倒振り。

「万博に名を借りた里山を破壊する宅地開発計画」だとBIE博覧会国際事務局から批判され、トヨタ自動車の奥田碩(ひろし)会長も頭を抱えていた「愛・地球博」(2005年日本国際博覧会)のあり方を抜本的に改めるべき、と中村敦夫「木枯らし紋次郎」参議院議員と共に提言した、信州・長野県知事就任の半年前の逸話も紹介する「田中康夫の新ニッポン論」Vol.125「横浜花博」。

 

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「日本・横浜発『グリーンシティ』の発信 SDGsの達成に貢献」を掲げ、2027年3月19日から9月26日まで開催予定「国際園芸博覧会GREEN×EXPO2027」はBIE博覧会国際事務局の認定博覧会。

グリーン博、環境博と百家争鳴状態で愛称すら定まらぬ「横浜花博」は旧日本軍第二海軍航空廠(こうくううしょう)瀬谷工場だった東京ドーム52個分の在日米海軍上瀬谷(かみせや)通信施設跡地が予定地。相模鉄道で横浜駅から瀬谷駅まで21分。更に「上瀬谷」入口まで直線距離で2km、実質徒歩30分。接収時に毒ガス弾8852本存在と米軍資料に記され、現在も砲弾が発見される場所です。

返還された「上瀬谷」242haの45%は沖縄「軍用地主」事情と同じ民有地。徒歩30分「猛暑下」の代替交通手段も不透明な「計画経済」を遂行すべく、「ふるさとの特徴である谷戸(やと)景観を留める数少ない川」と横浜市HPが記す和泉川の源流、ホタルが舞いコウノトリやトキが飛来する水田を埋め立て、横浜市道の通称「海軍道路」の桜並木242本も伐採中です。

上瀬谷跡地の南半分を会場に「国内外から多くの人を迎える大切な国際イヴェント」と高言の山中竹春市長も副会長の2027年国際園芸博覧会協会は、日本経済団体連合会(けいだんれん)の十倉(とくら)雅和氏が会長、国土交通省出身の元内閣府地方創生推進事務局長・河村(こうむら)正人氏が事務総長。日本新聞協会の中村史郎(あさひしんぶん)会長も、日本民間放送連盟の遠藤龍之介(フジテレビジョン)会長も、日本放送協会の稲葉延雄(のぶお)会長も協力会員に名前を連ね、会期半年間で有料入場者数1000万人以上を(うた)います。

フロリダのマジックキングダム、カリフォルニアのディズニーランド・パークに次ぐ集客数世界第3位のユニバーサル・スタジオ・ジャパンは半年間に800万人。東京ディズニーランドが755万人。東京ディズニーシーが620万人。何れも修学旅行・遠足等の学校団体適用入場券も加算した上での昨年実績です。

須藤浩之社長が日本新聞協会理事を務める「神奈川新聞」は昨年12月25日付で「期待と不安が交錯する上瀬谷」を特集。「「今は『大阪』が矢面に立たされているが、いずれは『横浜』も標的になりかねない」。関係者が異口同音に漏らす懸念を耳にするたび、園芸博に付きまとう『悩ましさ』を感じた。PR施策によって認知度が高まれば高まるほど、否定的な見方も広まっていくのではないかというジレンマだ。関西万博には強烈な逆風が吹きすさんでいる」と。

中村敦夫参議院議員と共に「愛・地球博」開催予定地を訪れ、「万博に名を借りた里山を破壊する宅地開発計画」とBIEから批判を受けた2005年日本国際博覧会のあり方を抜本的に改めるべき、と神田眞秋(まさあき)愛知県知事に県庁舎で提言したのは長野県知事就任半年前2000年3月10日。

トヨタ自動車の奥田碩(ひろし)会長や「中日新聞」も同様の危機感を抱き、既に供用の「愛知青少年公園(現「愛・地球博記念公園」)」へ主会場を変更し、600haの里山と森林の「海上(かいしょ)の森」を保全。年間入場者数を180万人と手堅く見積もる愛知県が事業主体のジブリパークは主会場跡地に誕生。量の拡大ならぬ質の充実が奏功して海外からの来園者が3割。

他方、3月に横浜市が発表した市民5000人調査の「花博」認知度は「よく知っている」2・5%、「聞いたことがあり、内容もある程度知っている」8・3%。「聞いたことがあるが、内容はよく知らない」37.3%、「まったく知らない」50.8%。

因(ちな)みに上瀬谷跡地の北半分は三菱地所と「テーマはこれから考える」年間来場者1500万人テーマパーク「基本協定」を締結。ブルー・ライト・ヨコハマの小舟は「大時化(おおしけ)」の中で揺れ続けています。

 

「花博」に関する2024年8月17日 Ya‘ssyポスト

https://x.com/loveyassy/status/1824726708035158431

242本の桜並木を伐採する原資として市民1人当たり900円市民税に上乗せしている「横浜みどり税」に関する2024年2月19日Ya‘ssyポスト
https://x.com/loveyassy/status/1759438097983635655
https://x.com/loveyassy/status/1759449907113689092

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「田中康夫の新ニッポン論」Vol.115「景観とは何か」

https://tanakayasuo.me/cityscape

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.124「『いじめ』と『給食』」

https://tanakayasuo.me/bully

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.123「横浜市教育委員会」

https://tanakayasuo.me/yokohama_kyoui

『あしやのきゅうしょく』上映&「ヨコハマ再興ヴィジョン」Ya‘ssy講演会

2023年7月9日開催まとめサイト

https://tanakayasuo.me/schoollunch

3年間で90回を迎えるYa‘ssy車座集会

関連資料&申込み

https://tanakayasuo.me/kurumaza

田中康夫HP「まとめサイト」一覧

https://tanakayasuo.me/archives/category/special

 

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2027年国際園芸博覧会協会概要

https://expo2027yokohama.or.jp/association/

開催意義

https://expo2027yokohama.or.jp/about/overview/

設立趣旨

https://expo2027yokohama.or.jp/wp-content/themes/expo2027_renew2024/pdf/association/setsuritsusyui_20211115.pdf

役員・理事名簿

https://expo2027yokohama.or.jp/wp-content/themes/expo2027_renew2024/pdf/association/yakuinmeibo_20240722.pdf

協力会員名簿

https://expo2027yokohama.or.jp/wp-content/themes/expo2027_renew2024/pdf/association/kyouryokukaiinmeibo_20230821.pdf

組織図

https://expo2027yokohama.or.jp/wp-content/themes/expo2027_renew2024/pdf/association/kyouryokukaiinmeibo_20230821.pdf

公式アンバサダー 芦田愛菜

https://expo2027yokohama.or.jp/about/ambassador/

公式マスコットキャラクター

https://expo2027yokohama.or.jp/about/mascot/

「国際博覧会条約」に基づく「GREEN×EXPO2027」  横浜市役所

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/koho/insatsubutsu/koyoko/shiban/kohoyokohamaplus/2023/202304.html

チェアパーソン涌井史郎 マスターアーキテクト隈研吾 クリエーター蜷川実花

PRTIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000097656.html

「2027年国際園芸博覧会」  環境省

「上瀬谷の土地特性」「会場計画の留意点」「会場コンセプト」

「横浜・上瀬谷における博覧会会場の位置づけ」「会場区域」「会場構成」

「会場区域の自然環境ポテンシャルを踏まえた空間特性」

「会場構成の考え方」「会場配置」

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/f_yokohama/attach/pdf/yokohamahaku-36.pdf

旧日本海軍「第2海軍航空廠瀬谷補給工場」  環境省

https://www.env.go.jp/content/900409102.pdf

和泉川  横浜市下水道河川局河川部

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kasen-gesuido/kasen/shoukai/shokai/izumi.html

和泉川「6つの水辺」  横浜市瀬谷区総務部

https://www.city.yokohama.lg.jp/seya/shokai/gaiyo/midokoro/izumigawa/izumigawa.html

 

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<横浜市民調査>市が注力する園芸博と特別市 「まったく知らない」は半数超

横浜日吉新聞

https://hiyosi.net/2024/04/02/yokohama_city-7/

「横浜市民意識調査報告書」  横浜市政策経営局データ経営部

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/seisaku/2023/0328r5ishiki.html

瀬谷区民意識調査「園芸博の認知度8割超 渋滞や混雑に不安の声」  タウンニュース

https://www.townnews.co.jp/0106/2024/02/15/720010.html

「大阪」万博の次は「横浜」が矢面に?上瀬谷の園芸博、交錯する期待と不安  神奈川新聞 2023年12月25日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/1044834

2027年の国際園芸博覧会開催地 市が相沢川に暗渠計画 生態系破壊を懸念

東京新聞 2024年4月26日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/323636

国際園芸博覧会「GREEN×EXPO2027」マスコットキャラクター発表 東京新聞 2024年3月20日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/316170

バブル期並みの花博再び「自然との調和」掲げ、失われるものは  朝日新聞 2022年6月9日

https://digital.asahi.com/articles/ASQ6861TYQ62ULOB007.html?pn=5&unlock=1#continuehere

横浜・米軍跡地のテーマパーク誘致、ディズニー級困難に  朝日新聞 2021年4月22日

https://digital.asahi.com/articles/ASP4P6WMYP4KULOB00Z.html

横浜花博の来場者、1日当たり最多10万人超 市が予想

神奈川新聞 2023年5月26日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/992680

瀬谷駅―上瀬谷跡地間、横浜市がトンネル掘削へ調査 「新たな交通」整備へ  神奈川新聞 2024年1月24日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/1051832

横浜・上瀬谷に自動運転バス導入へ 2030年代前半、新IC整備も本格化  神奈川新聞 2024年2月10日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/1056083

花博、園芸博、グリーン博…乱立に「混乱」 略称統一巡り、国交省の答えは  神奈川新聞 2024年3月29日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/1067227

EXPO、花博、グリーン博…横浜の園芸博、何て呼ぶ? 「乱立」に懸念も 神奈川新聞 2024年2月13日

https://www.kanaloco.jp/limited/node/1056559

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わたしだって、上瀬谷を追うよ!  亜梨子

https://note.com/ari_waka/

https://note.com/ari_waka/n/n43747dd8a442

上瀬谷環境ネット

https://seyakankyonet.org/

 

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